【合格率は関係ない】消防設備士4類の勉強

消防設備士

電気設備を扱う方にとって消防設備士4類は、消防設備士の登竜門です。
それに加えて自動火災報知設備などの警報設備の取り扱いができる消防設備士4類は非常に良い資格です。

ですが、他の消防設備士に比べて合格率が高いと公式に発表されていますが、実際はそうではなく合格率はあまり関係ありません。

その理由と勉強方法、オススメ書籍を消防設備士甲種1・2・3・4類を取得している現役設備設計者の私が解説していきます。

ちなみにですが、、

「現役設備設計者の私が解説します!」と言うのもきちんと理由がありまして
この記事の最後にリンクを貼っていますが、設備設計のお仕事をされる方は特に消防設備士の資格を取得すべきと考えています。

難易度もそこまで高くなく、持っていて損はないので一緒に消防設備士を取得した設備設計者になりましょう。

この記事を読むと〇〇できます。

・消防設備士甲種4類の合格率の見方が分かる
・消防設備士4類は難しい試験ではないことが分かる
・消防設備士4類の勉強方法と期間が分かる
・消防設備士4類のオススメ参考書が分かる

それでは消防設備士4類の合格率の見方から解説していきます。

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消防設備士4類の合格率と難易度

近年の消防設備士4類の合格率は、他の消防設備士に比べてやや高い傾向にあります。

・令和3年度の消防設備士甲種4類の合格率は43.7%、甲種全体で39.2%

・令和3年度の消防設備士乙種4類の合格率は45.3%、乙種全体で42.3%

4類だけの合格率と消防設備士全体の合格率を比べるとやはり高いですね。 と言うことは消防設備士4類は他の消防設備士より簡単なんだ!

だったらそこまで勉強しなくてもいいかな。
2週間くらいあれば何とでもなりそうだね。

そうではありません!

決して合格率だけで4類の難易度を判断してはいけません。

消防設備士の試験状況を公式に発表している消防試験研究センターでは、消防設備士の合格率以外に、受験者数と合格者数を発表しています。

そのサイトによると、消防設備士4類の受験者数、合格者数は以下のようになります。

消防設備士4類の試験状況

・令和3年度の甲種4類受験者5,527人に対して合格者は2,341人
・令和3年度の乙種4類受験者5,905人に対して合格者は2,675人

それを受験者数の少ない2類の試験状況は以下のようになります。

消防設備士2類の試験状況(令和3年度)

・甲種2類受験者数1,111人、合格者438人、合格率39.4%
・乙種2類受験者数181人、合格者59人、合格率32.6%

合格率を単純に比較すると消防設備士4類の方が高いのですが、分母の数が圧倒的に違います。理由は簡単

消防設備士4類が人気の資格だから、です。

逆に考えると消防設備士4類は人気がある資格なのに、人気の少ない消防設備士の資格と合格率がそこまで大きく変わらないのはおかしいです。

その要因を考えて見ました。

・消防設備士は年に2回同じ地域で、他県も含めると年に何回も受験できるので、受験に対するハードルが低い。
・受験に対するハードルが低い結果、十分な勉強をしない。
・十分な勉強をしない人+人気資格の為、受験者数が多い者の合格率は他の消防設備士と大きく変わらない。

仮に、消防設備士の資格を年に1回、そして他県では絶対に受けれない資格とし設定すると、消防設備士の4類の合格率はまた変わった数値になるはずです。

ですなので、4類だけの合格率に惑わされてはいけないのです。

消防設備士試験 |一般財団法人消防試験研究センター
国家資格である危険物取扱者試験と消防設備士試験の実施機関です。

以上のことから、消防設備士4類の難易度としては他の消防設備士の試験よりも安易に簡単だと考えることは危険だと言うことが推測できます。

かといって、消防設備士4類の試験は必要以上に難しく考えず、きちんと勉強すれば誰でも合格できる資格です。

その勉強方法などを次の項目から解説していきます。

消防設備士4類を取得するとどうなる?

消防設備士4類を取得するとどのようになるのでしょうか?
機械設備と電気設備両方を業務内容とする設備設計、建築設備設計のお仕事をしている私が、消防設備士4類を取得することで以下のようになりました。

私の経験

・ビル、複合施設、ホテル、集合住宅で複雑な感知器の系統が分かるようになった。
・設計段階や工事中の物件に対しても消防協議が上手くなった。
・客先への消防設備の説明が上手くなった。
・基本設計などの設計業務の早い段階で警報設備を含めた計画がスムーズに行えるようになった。
・相対的評価として、同僚から信頼を得る事が出来た。
・防災設備や電気設備の施工業者と対等に協議が出来るようになった。

このように消防設備士4類を取得するメリットは非常に多く存在します。

資格を取得するメリット、取得したらどうなるのかなぁ?

そう考えた時には、単純に考えてみてください。
あなたの環境に置き換えて

  • 取得した後の自分の状態
  • 取得した後の周りの評価

これを考えればおのずと、あなたにとって消防設備士4類を取得するメリットが見えてきます。

消防設備士4類の勉強

それでは、この項目より実際の消防設備士 4類についての勉強方法を解説していきます。

何度も申し上げますが、消防設備士4類はきちんと勉強方法と計画を立てて、ご自身に合う消防設備士4類の参考書や問題集を駆使すれば、そこまで難しい試験ではないということをご理解ください。

オススメ参考書の紹介

消防設備士4類でオススメする参考書は「第4類消防設備士試験」

「工藤本」なんて呼ばれている書籍ですが、有名なだけあり本当に分かりやすい参考書です。

図解や絵が非常に豊富で、頭に入りやすいです。

更に熱感知器や煙感知器、炎感知器の種類や設置基準など一覧表で覚えるべき数値などを語呂合わせで覚えるように考えて紹介してくれているので、非常に覚えやすいです。

ページ数は多いのですが、絵や図解が多いのでページ数分のボリュームは感じず、スラスラ進めていけます。

ちなみに私は今の仕事の際でもこの語呂合わせを時々思い出しています。

知識はどういう形でも覚えた者勝ちなので、なるべく覚えやすい参考書を選ぶことをオススメします。

オススメ問題集の紹介

参考書と同じ方が書かれた書籍ですが、問題の解説が参考書と同じ内容で、かつ、端的に分かりやすくまとめてくれているのが非常に有難いです。

また、実技試験の問題の種類と量が豊富で、甲種を考えている方にとって大きなメリットと言えます。

私は、消防設備士甲種4類を受験しましたが、勉強として3回繰り返しました。

逆に言えば、この問題集と参考書を3回ずつこなせば受かる可能性が高いという事です。

消防設備士4類の勉強方法

勉強方法は至ってシンプルで、消防設備士4類の参考書と問題集をセットで購入して

参考書と問題集の平行、もしくは参考書→問題集の流れで勉強することをオススメします。

特に消防設備士甲種4類は実技試験で理解力と応用力が問われるので、参考書も購入してしっかりと理解することが必要です。

参考書と問題集両方をこなすにはそれなりの時間が必要ですが、先ほど紹介したオススメ書籍であれば覚える範囲の多い4類の内容をスラスラ進めることができるので、それ程苦ではありませんよ。

勉強方法の参考例

それでは実際に私の勉強方法の参考例を出します。

私の勉強方法の鉄則は

・参考書に関連ページの記載、メモ
・問題集の該当箇所に関連問題の問いかけ
・その日に勉強した分は次の日、3日後、1週間後の
 タイミングで復習する

例としてこのような参考書のページがあるとします。

例:熱アナログ式スポット型感知器

公称感知温度範囲は
・上限:60℃以上、165℃以下
・下限:10℃以上、「上限値-10℃」以下

その場合の参考書にはこのように手書きメモを行います。

例:熱アナログ式スポット型感知器
定温式スポット型感知器は公称作動温度であり60℃~150℃で、60℃~80℃までは5℃ごとに、80℃~150℃までは10℃ごとに設定可能。アナログ式は公称感知温度!ごちゃごちゃにならないように!

公称感知温度範囲は
・上限:60℃以上、165℃以下
・下限:10℃以上、「上限値-10℃」以下

そうすることで、このように自分が間違えやすい、区別しにくいと感じたものはメモして自分だけの参考書、問題集を日々の勉強の中で作っていきます。

同時に今自分が消防設備士4類のどの分野を勉強しているかを理解できます。

また、復習のタイミングですが
エビングハウスの忘却曲線を自分のスタイルと消防設備士用として少し改良を重ねた結果になります。

勉強期間、勉強期間

こればかりは日々の生活の中でどれだけ勉強時間を作れるかによりますが、私の場合を例としますと
消防設備士4類の勉強は、およそ2カ月でした。

日々の勉強時間の内訳としてはこのようになります。

合計勉強時間=約148時間 
(平日50時間/月+休日24時間/月)×2カ月


平日:合計2時間半程度
   通勤時間の1時間弱(往復)+お昼休憩30分+帰宅もしくは仕事の移動中で30分~1時間程度

休日:早朝と就寝前で3時間程度

正直、この時間が多いのか少ないのかは定かではありませんが、ネットで調べる限り少ない方かもしれません。

ですが、この勉強時間であれば日々の生活にもそこまでストレスを感じる事もないので、上記で紹介した参考書と問題集をこの時間以上はきっちり勉強すれば受かる可能性があるという事は参考になるかと思います。

消防設備士甲種4類の勉強方法

甲種は乙種と違い、実技試験があります。
実技試験の中でも、製図試験については実際に手を動かして覚えていくことが必要です。

更に、実技試験は筆記試験の分野をきちんと覚えていなければ解くことはできません。

という事は必然的に、4類の勉強の終盤でないと実技試験を覚える事が難しいことになります。

なので、甲種4類を受験される方は
最低でも2週間前からは実技試験の勉強を重点的に行う事を視野に入れた勉強計画を立てましょう。

まとめ

それでは消防設備士4類についてのまとめに入ります。

・消防設備士4類を取得するメリットを考える時は、あなたの環境に置き換えて以下を考える。
取得した後の自分の状態
取得した後の周りの評価

・消防設備士4類の合格率に惑わされず、やるべき事をきちんと勉強することが大事

・オススメの参考書、問題集は「工藤本」

・4類の勉強期間の目安は2カ月前後
 ※ただし、甲種4類の受験勉強は実技試験を2週間分は確保すること

・勉強方法は参考書にメモをしていく、復習のタイミングは翌日、3日後、1週間後が目安

以上、消防設備士4類についての記事でした。
警報設備をマスターしてより良い建物を創りましょう!

pinky

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