建築設備士二次試験は2ヶ月の勉強で合格することが可能です!!
私は、実質1ヶ月半で建築設備士2次試験に合格することができました。
2ヶ月と題しているにはきちんと理由がありまして、
建築設備士二次試験を受験される大半の方は、建築設備士一次試験を受験されてから勉強を開始されると思います。
建築設備士の1次試験と2次試験の間の期間は、
平均して2ヶ月〜2ヶ月半ほどしかありませんので、必然的に2ヶ月前後の勉強期間になる為です。
冒頭から決定づけることは申し上げれませんが、
建築設備士1次試験を受験する前から2次試験も勉強をした方が良いのかな?
作図問題もあるのに忙しい毎日で2ヶ月で合格なんて無理に決まってる・・
そう考える方は一度、以下を読んでみてください。
建築設備士2次試験に合格する為の効率の良い勉強方法を解説します。
私はそうして建築設備士を取得できたのですから。
始めに自己紹介をしておきます。
現役で設備設計を行っているpinkyと申します。
建築設備士を取得後、1級建築士、設備設計1級建築士と順番に取得していきました。
建築設備士は1発で合格しましたが、非常に楽しく、そしてきつい試験でもあった為こうして記事に書いて様々な方へ勉強方法の紹介や、建築設備士取得促進を促すのが目的です。
・建築設備士二次試験の試験内容と合格率が分かる。
・建築設備士二次試験に合格する為の勉強方法が分かる。
・仕事をしながら2ヶ月で合格する効率の良い勉強方法が分かる。
・勉強期間のモチベーションを維持することが上手くなる。
それでは本題に入ります。
※こちらの勉強方法は、衛生給排水設備、空調・換気設備、電気設備のどれでも通用する勉強と考えて頂いて結構です。
3分野全て、試験合格方法の勉強は基本的に同じです。
建築設備士2次試験について
先ずは建築設備士 2次試験について解説します。
試験内容の全貌は公開されているものの、いまいち分かりにくい為、先ずは試験内容を理解頂く事から始めるのがオススメです。
【大前提】二次試験は一次試験の応用でしかない
建築設備士二次試験の内容の大前提は、
一次試験の応用で、作図問題と計算問題、記述問題があるだけです!!
端的に申し上げましたが、この認識が大事なのです。
私も皆さんと同様に様々な資格試験を勉強してきていつも思うのは
2次試験、二次試験、記述試験などについては、その前の1次試験などの応用にすぎないのです。
ですが、その資格勉強を始めようと思い、過去の試験問題を見た時にいつも思うのが
こんな試験問題、本当に自分で解けるのかな?合格できるのかな?
そう考えがちではありませんか?
ですが、安心してください。
資格試験の2次試験というのは、基礎的知識を応用した試験問題でしかないのです。
建築設備士の二次試験も同様です。
出題範囲の広い建築設備士1次試験を突破できたあなたならきっと解けます。
先ずはそのイメージ、認識を持ってください。
二次試験の内容
次に具体的な試験内容について解説します。
建築設備士二次試験の試験内容は以下になります。
項目 | 問題数、出題構成 |
---|---|
建築設備基本計画 (必須問題) | 問題数:11問 |
建築設備基本設計製図 (選択問題) | 出題構成: 計算問題 1問 系統図または単線結線図 1問 |
建築設備基本設計製図 (共通問題) | 出題構成: 空調・換気設備の平面図 1問 衛生給排水設備の平面図 1問 電気設備の平面図 1問 |
ご存知の方が多いと思いますが、
建築設備士二次試験は、衛生給排水設備、空調・換気設備、電気設備の3分野共通問題と、いずれかの分野を選択して回答する選択問題で構成されています。
また、より設計段階に近い試験内容として大きな括りでは以下のようになります。
以上の構成から成る試験問題となります。
試験時間は5時間半という1級建築士の6時間と比べても大差がない程の試験時間です。
建築設備士2次試験の合格率
次に合格率を見てみましょう。
年度 | 二次試験 合格率 |
---|---|
平成30年 | 52.0% |
令和元年 | 54.3% |
令和2年 | 41.4% |
令和3年 | 52.3% |
令和4年 | 46.4% |
合格率はやや高めですが、ここで注意したいのが
建築設備士2次試験の合格率というのは、建築設備士1次試験を合格された方の中での合格率であるということ。
建築設備士1次試験も決して易しい試験ではないことは、皆さんが身に染みて感じているはずです。
逆に一次試験を簡単だったと感じた方は、二次試験は油断さえしなければ合格はできるのでしょう。
羨ましい話です。
私は一次試験ですら試験勉強に苦戦してギリギリ合格でしたので・・・
合格後の流れ
ここまでお読みになって頂いた方で、少し不安が募ってしまっている方もいらっしゃると思いますので、続いてはモチベーション維持の為の内容を解説します。
建築設備士二次試験に合格した後の流れを解説していきます。
流れを読みながらご自分が建築設備士2次試験に合格した後のことを想像してみてください。
建築設備士二次試験の合格発表は、試験日から約3ヶ月後程度になります。
その間というもの、寝ても寝ても気になる期間が続くはずです。
実際、私も試験終了後から合格発表まで気になって仕方ありませんでしたので・・・
合格発表~合格証書が郵送されるまで
見事合格した方には合格証書が郵送されます。
公益財団法人 建築技術教育普及センターの代表者や理事長のお名前の元、合格した証としての合格証書です。
建築設備士の合格証書が届いた際は非常に嬉しかった記憶があります。
私は今でも大事に保存していて、年末の大掃除の際に見返す程です。
建築設備士としての登録
合格証書と共に、建築設備士の登録方法と申込書などが同封されています。
2万円程、登録料を支払って申し込み後1ヶ月程度で登録証が届きます。
これで晴れて国土交通大臣指定の建築設備士を名乗ることができるのです。
そんな未来もあと数ヶ月、効率良く自分と向き合って勉強すれば叶うのです。
建築設備士二次試験の勉強は、このモチベーション維持が1番大切だと言っても過言ではないと私は考えています。
もう少しだけ、もう2ヶ月だけ頑張ってみませんか?
2ヶ月間の二次試験の具体的な勉強方法
建築設備士2次試験に合格する為の準備はこれで整いました。
あとは効率良く2ヶ月間勉強するだけです、ただ、勉強するだけです。
それでは具体的な2ヶ月間の試験勉強方法を解説していきます。
1点だけ大きな前提だけお話しますと、
これから紹介する勉強方法は1日限りの2次試験対策講習を受講する前提で解説していますので、くれぐれもご了承ください。
試験勉強2ヶ月間の大まかな流れ
建築設備士2次試験対策として2ヶ月間の勉強の大まかな流れを以下にまとめました。
ここで重要なポイントは、いち早く過去問の解答を入手することです。(最低でも5年分)
私が建築設備士の勉強計画を立てた際、2次試験の過去問を見ても
これは自分では勉強できない。
解答内容を理解することから始めないとマズいぞ・・・
仮にも設備設計のお仕事を日々こなしているのに、この状態は恥ずかしい限りでした。
ですが、私の考えている事は私にしか分かりません。
私が設備設計に対して、このレベルであることは私しか知りえません。
だったら、今の自分の地点から受かるには、先ずは解答方法を理解する所から始めよう!
そう考えて開き直って、試験に受かる為にはどうすれば良いか、それだけを考える事にしました。
結果的に目的を絞ることで、建築設備士に合格することができたのかもしれません。
2次試験1か月前
試験勉強には2カ月しかありませんが、1か月前にはそろそろ仕上げに入らねば2カ月で受かる勉強方法とは言えません。
前の1か月ではひたすら、基本計画は暗記、そして基本設計の製図はひたすら模写を繰り返すことで、試験の解き方が明確になります。
そして1次試験で勉強した知識を応用して解く事に気づき始める時期です。
冒頭でもお伝えしましたが
建築設備士 2次試験はあくまで1次試験の応用でしかありません。
この時期になるとそれが明確に理解頂けると思います。
1か月前は本格的に、過去問を解答を見ないで解いてみます。
2カ月前から勉強をスタートさせて、数年分模写を行ってみて、理解できた方は1か月前と言わずに早めにこの段階に入っても良いでしょう。
ですが、お仕事で忙しい毎日。
製図だけでも全問解くとなると数時間かかりますので、部分的に解きモチベーションを維持することを意識しましょう。
また、こちらも非常に重要な勉強ですが
建築設備士二次試験対策の講習会が開催されますので、講習会で配布されるテキストを中心にも勉強していきます 。
講習会のテキストは、ほぼ丸暗記レベルでも良いので全てのページを読み、覚え、理解するようにしましょう。
ここで重要な点をまとめました。
・製図問題を分割して毎日解くことを心掛ける。
できれば、5年分を3回程度は繰り返し解きたいです。
・3回間違えた製図の箇所は、必ずまとめノートに記載していく。
この作業が一番重要です。
・3回目などは慣れてくるので、早く正確に製図できるように意識する。
ここで余談ですが、試験時間は数字としては長く感じても、実際試験になると物凄く早く感じてしまいます。
配分としては、基本計画に1時間前後、製図に4時間として、残りの30分は全問題の見直し時間として考えましょう。
2次試験1週間前
試験の1週間前は、仕上げ勉強です。
ここで必ず行っておきたいのは以下になります。
- 要点をまとめたノート、メモの作成
- 休日を利用して試験時間に合わせて模擬試験を実施
- 間違えやすい漢字、誤字を確認
- 持ち物の最終確認
以上のことは最低でも行なっておきたいですね。
特に要点をまとめたノートが非常に重要でして、約2ヶ月間勉強してきて自分なりの間違えやすい箇所や、まだ完全に理解できていない内容などをまとめておきます。
まとめノート作成は脳内で以下のような構図になりますので、非常にオススメです。
インプットしきれなかった情報を脳内で選別する作業により情報の整理
↓
まとめる作業でアウトプット、知識の再定着
↓
まとめノートを見返すことで再インプット
建築設備士2次試験勉強のテクニック
建築設備士二次試験の2カ月間の勉強の流れを解説しましたので、最後に勉強のテクニックについて解説します。
2次試験は自分から調べる、資格の学校や講習会に参加しない限り非常に情報が少ないのでこういった自分なりの勉強テクニックが重要になります。
是非参考にしてみてください。
講習会には参加しよう
ネットでも良く見かけると思いますが、建築設備士二次試験対策として、日本設備設計事務所協会連合会主催の講習会というものがあります。
独学で勉強している方は是非講習会に参加しましょう。
1日間の講習で受講料は2万5千円程度と少し割高のように感じるかもしれませんが、これで合格できると考えれば安いものです。
合格後に昇給して、あなたの月々の給料で5000円上がったとして、5ヶ月後に受講料は取り戻せるのです。
そう考えてしまうと、安い先行投資ではないでしょうか?
上記でも少し触れましたが、講習会を受講する際に二次試験対策の講習会資料が配布されます。
基本計画の記述問題対策から、空調・換気設備、衛生給排水設備、電気設備全てを網羅した製図問題の対策、そして計算問題の考え方などの内容になっている為、非常に読み応えのある資料です。
その資料をきちんと頭に叩き込むことでほぼ合格できるも同然の内容ですので、
講習会に参加して、講習会以降は配布された資料を中心に勉強するようにしましょう。
一応ですが、どうしても講習会に受講できなかった方は、市販の参考書を利用して勉強しましょう。
回答内容が載っている参考書や過去問であれば、極論それだけでも受かる可能性はあります。
私の知人で、講習会に参加せず、過去問の回答内容を全て理解して合格した方もいます。
ですが、安全圏を進むなら講習会に参加することをお勧めします。
(市販で建築設備士2次試験対策の参考書はかなり少ないです)
製図問題の解答用紙を小分けにして印刷
本番で配布される系統図や単線結線図、平面図の解答用紙は一つの大きなA1サイズでまとめられた用紙が配布されます。
ですが、練習の際はA1サイズの解答用紙を準備するにも一苦労ではないでしょうか?
そんな時、私の場合は解答用紙を一つだけA1で印刷し、それをトレーシングペーパーに写し、それを練習の度にコピーして製図の練習を行っていました。
建築設備士の2次試験の試験時間は5時間半ですが、勉強や製図練習の際は必ずしも5時間半通しで行わなくても良いのです。
勉強計画の例を作成してみました。
日付 | 勉強科目 | 過去問の年度 | 備 考 |
---|---|---|---|
7月1日 | 系統図、計算問題 | 平成30年、31年分 | 計算問題は移動中に内容を理解する勉強 |
7月2日 | 空調平面図 | 平成30年、31年分 | 丁寧に製図 |
7月3日 | 衛生、電気設備の平面図 | 平成30年、31年分 | 30分以内に作成 |
7月4日 | 系統図、計算問題 | 令和元年、2年分 | 計算問題は移動中に内容を理解する勉強 |
7月5日 | 空調、衛生の平面図 | 令和元年、2年分 | 丁寧に製図 |
このように製図試験は小分けにして、忙しい毎日で確実にこなせる量を製図練習、勉強することをオススメします。
電車などの移動時間は基本計画の勉強
建築設備士2次試験の勉強は、製図や計算問題に注目が集まってしまいますが、基本計画の記述問題対策は非常に重要です。
試験開始後、先ずは基本計画を記述することになりますので、ここで迷ってしまったり、時間をかけすぎてしまうと、製図問題の時間がなく、中途半端な解き方をしてしまうと焦りにつながります。
ですので、基本計画の記述対策もしっかり行うようにしましょう。
2次試験の勉強は基本的に机に座って、勉強する方法が多いのですが、仕事などでの移動時間が勿体ないですよね。
ですが、基本計画を解くことは電車などの移動中も可能なはずです!
(この問題に対しての記述はこう書こう、携帯に文字として打ってみて解答してみよう)
電車の移動中でも、心の中で記述内容を考えることも勉強の一つです。
記述が単純に遅い人でも、先ずは解けないと意味がありません。
こうして電車移動中の時間も有効活用するようにしましょう。
全ては、あなたが建築設備士になる為です。
2〜3回は通しで過去問を解いてみる
実際の試験時間に合わせた模擬試験も行うこともオススメします。
試験当日のその時間のご自分の体調面として、トイレは必要か?空腹は大丈夫か?5時間集中できるか?最終確認になりますので。
泣いても笑っても最後です。
ここで受からなければ、来年また1年待たないといけません。
来年、受かるとも限りません。
ここは受かる為と割り切って、1~2日程度の休日は試験の模擬試験を行うようにしましょう。
そして、模擬をやってみて、何がダメで、何が上手くいったかを必ずまとめノートに書くようにして、試験の2~3日前から見直す事をオススメします。
試験で用意する物(持ち物の紹介)
最後に試験で準備するものを紹介します。
三角スケールは必須です。
系統図など長い直線を書きたい方は30㎝の三角スケールを準備するのも良いかもしれません。
ちなみに、私は15㎝のみ持っていきました。
続いて、こちらも必須である計算機です。
計算問題は数分で解きたい所です。
遅くとも30分程度ですね。
そうなると計算機は必須です。
なるべく普段使っている計算機を準備しましょう。
まとめ
それではまとめに入ります。
【大前提】二次試験は一次試験の応用でしかない
建築設備士に限らず、どの資格試験にも言える事ですが、
資格試験の2次試験というのは、基礎的知識を応用した試験問題でしかないのです。
先ずはその認識を持ちましょう。
二次試験の内容
項目 | 問題数、出題構成 |
---|---|
建築設備基本計画 (必須問題) | 問題数:11問 |
建築設備基本設計製図 (選択問題) | 出題構成: 計算問題 1問 系統図または単線結線図 1問 |
建築設備基本設計製図 (共通問題) | 出題構成: 空調・換気設備の平面図 1問 衛生給排水設備の平面図 1問 電気設備の平面図 1問 |
試験時間は5時間半という1級建築士の6時間と比べても大差がない程の試験時間です。
建築設備士2次試験の合格率
年度 | 二次試験 合格率 |
---|---|
平成30年 | 52.0% |
令和元年 | 54.3% |
令和2年 | 41.4% |
令和3年 | 52.3% |
令和4年 | 46.4% |
注意点は、建築設備士2次試験の合格率というのは、建築設備士1次試験を合格された方の中での合格率であるということ。
合格後の流れ
公益財団法人 建築技術教育普及センターの代表者や理事長のお名前の元、合格した証としての合格証書が届く
↓
2万円程、登録料を支払って申し込み後1ヶ月程度で建築設備士の登録証が届きます。
これで初めて国土交通大臣指定の建築設備士を名乗ることができるのです。
2ヶ月間の二次試験の具体的な勉強方法
建築設備士2次試験勉強のテクニック
- 独学で勉強する方は、日本設備設計事務所協会連合会主催の講習会に参加するようにしましょう。
- 製図問題の解答用紙を小分けにして印刷
- 電車などの移動時間は基本計画の勉強
- 2〜3回は通しで過去問を解いてみる
以上です。
何度も申し上げますが、建築設備士2次試験はモチベーション維持が大事です。
根気よく継続して、かつ効率良く勉強することが大事です。
建築設備士を取得した後の事を想像して、最後まで諦めず勉強しましょう。
いつか、この期間を「楽しかった」と言えるように。
pinky
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