消防設備士の勉強する順番を現役設備設計者が解説

消防設備士

消防設備士は非常に価値のある資格です。

どの職種でも複数の種類の消防設備士を取得するのがオススメなので、その理由や難易度、免除科目を意識しながら消防設備士の取得する順番を現役設備設計者が解説していきます。

この記事を読むと〇〇できます。

・業種に合った消防設備士を取得する順番が分かる
・科目免除を理解した効率良い順番で取得できるようになる。
・業種に直接関係のない消防設備士の種類の取得も視野に入れられる

消防設備士の種類は割愛しますので、下記サイトで消防設備士の種類の確認をお願い致します。

トップ|一般財団法人消防試験研究センター
国家資格である危険物取扱者試験と消防設備士試験の実施機関です。
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消防設備士は複数の消防設備士を取得する方が良い

消防設備士はどの職種でも、複数の種類の消防設備士を取得することをオススメしています。

例えば、電気設備関連の方は4類(自動火災報知設備等の警報設備)の他に、5類や7類の取得したり、機械設備関係の1〜3類を取得して消火ポンプや固定式消火設備の仕組みを理解できるようになったり、逆に機械設備関連の方が1類以外に2、3類を取得したりなどが考えられます。

そうすることで今の業務内容を多角的に考えることができますし、
スキルアップすることにより今の会社からステップアップした会社への転職も視野に入れられます。

消防設備士は甲種がオススメ

消防設備士には甲乙の種類ががあります。
例えば消防設備士 甲1類、乙1類(1類は屋内消火栓、スプリンクラー設備等)というように分かれていて、消防設備士の甲乙の違いを資格としての価値と試験内容に分けて下記で比較しました。

資格としての甲乙の違い

・甲種=消防設備の設置及び維持管理の点検、整備が行える。
・乙種=消防設備の維持管理の点検、整備のみ行える。

試験としての甲乙の違い

・甲種=筆記試験+実技試験があり
・乙種=筆記試験のみ


私は、消防設備士を受験する部下には毎回話していますが、
消防設備士は甲種がオススメです。
消防設備士を受験する順番としても先ずは甲種を受けることをオススメします。

その理由と注意点を次の項目から解説していきます。

実技試験の勉強が非常に有益

資格試験の実技試験や2次試験というのは、筆記試験や1次試験の為に勉強してきたことを応用して解く問題が多いです。

そうなると基礎知識をきちんと理解しないと当然解けないわけで、逆に基礎知識をきちんと理解していればそこまで難しく感じなくなるのです。

そしてそれは同時に
自分が真面目に試験勉強をして、知識が身についている証拠です。そして、仕事においてもその力が十分に発揮されます。

なので、私個人ではご自身の価値を高めると共に社会的にも
消防設備士は甲種を受けることが、重要だと考えています。

甲種の方が乙種より科目免除の恩恵が大きい

複数受験する場合は1種類でも消防設備士を取得していると、受験科目が一部免除されることがあります。

詳しくは次の大項目で解説していきますが、甲種の方が乙種より、科目免除の恩恵が高い傾向にあります。

注意点:消防設備士の甲種である実技試験の懸念

消防設備士の受験はオススメ順番や、ご自身の為にも甲種を受験すると良いです!とは言ったものの、甲種の実技試験には一つ懸念事項があります。それは

とにかく問題用紙や写真が見にくい!!!!

しかもかなり意地悪な問題を出す時もあります。
実技試験の為の勉強は非常に有益なのですが試験形式だけは本当に残念です。

私が消防設備士の実技試験を受験して「なんだこの問題は・・・」なんて目を丸くすることがよくありました。

ですので、確実に消防設備士の資格を取得することが目標だと考える方は乙種を受験しましょう。

免除科目を考えて受験しよう

消防設備士を複数受験する場合、どれか一つでも取得してれば次回の試験から科目免除を受けられることがあります。
その表がこちらになります。

試験科目及び問題数|消防設備士試験 |一般財団法人消防試験研究センター
国家資格である危険物取扱者試験と消防設備士試験の実施機関です。

ここで注意点が必要なのは

・甲種は甲種、乙種のどちらも科目免除の恩恵がある。
・乙種は乙種のみしか科目免除の恩恵を受けられない。
・1~3類はたて続けに受けると基礎分野も免除されるのでオススメ。

注意点は最初に乙種を受けてしまうことです。

前述しているように消防設備士を初めて受験する方に対しては、甲種を受験するのが順番としてはオススメなのですが、最初に乙種を取得すると「次回から甲種を受けたい!」となったとしても、乙種では甲種の科目免除はありません。

と言っても学歴や受験資格となる資格を取得していなければ自動的に乙種しか選択肢がなくなりますが、その場合は割り切って乙種で全て統一、もしくは次回から科目免除なしで甲種を受けるかにしましょう。

消防設備士の難易度の順番はある?

消防設備士の合格率は、近年30%後半台ですが、甲種なのか乙種なのか、1種なのか2種なのか種類によって多少の合格率の変動があります。


よく言われるのが、消防設備士の甲種1類、甲種4類は合格率が低いと言われがちです。
ただ、それにはきちんと理由があって、決して1類や4類が特別難しいわけではないのです。


消防設備士2、3、5、6類の受験者数が1000人に対して、1類、4類は人気があるので3000~5000人が受験します。

ただし、難易度はほぼ変わらない状態なので、必然的に1、4類の合格率が下がるというだけです。
更に消防設備士は、一つの種類で年に2回は受験できるので、少し安易に考えて受験する方も少なくないと考えられます。

私の昔の上司は、とても人柄の良い方だったのですが、消防設備士甲種1類を5回連続で落ちていました。

結論

消防設備士は種類によって難易度はほとんど変わらないので、次の項目からの

職種別の受験する順番通りにきちんと勉強すれば、複数の消防設備士を効率良く取得できます。

それではいよいよ職種別に消防設備士の取得、勉強する順番を解説していきます。

電気設備設計、施工会社勤務の方向け

電気設備関連の職種の方は先ずは消防設備士4類を受験しましょう。

消防設備士4類を取得すると、甲乙関係なく乙種7類は消防関係法令の共通部分と基礎的知識が免除されます。

その次は、思いきって畑違いではありますが消防設備士1~3類を目指して勉強するのも一つです。

私は現役設備設計者ですが、消防設備士甲種1~4類を取得していて、どれも勉強して良かったと常々感じます。

電気設備関連の方は特に、全ての機器は電気を通さないと成り立たないので機械設備範疇の勉強をしておいて損はありません。

機械設備設計、施工会社勤務の方向け

機械設備関連の職種の方は、当然のごとく1類を一先ず取得するようにしましょう。

屋内消火栓、スプリンクラー設備が代表的な消防設備であるとともに、もう一つ理由があります。

機械設備の方は、1類の他に取得を目指すとなると2・3類が考えられますが、2・3類の勉強をするにあたり1類で良く似た覚え方や計算方法などが出てくることがあります。

例えば、1類で勉強する流水検知装置や一斉開放弁の仕組みは2類の勉強でも出てきます。

このように、
1類で勉強したことが2・3類にも関係してくるので、先ずは消防設備士1類を取得することをオススメします。

ちなみに消防設備士1~3類、いずれかを取得して更に1~3類の残りの種類を受験する際は、
消防関係法令の共通部分と基礎的知識の両方が免除されます。

そういった面でも1~3類はたて続けに受験するのが良いです。

電気設備、機械設備両方を扱う方向け

最後に、電機設備と機械設備両方を扱う方に対しては

まずは1類を受験し、その次は2類もしくは3類、その次に4類を受験し、2類3類の残りの方を受験する順番がオススメです。

理由は免除科目に対してですが、前述しましたように1類を受験すると2・3類は 消防関係法令の共通部分と基礎的知識が免除されます。

ですが、1~3類のどれを取得していても4類は 消防関係法令の共通部分のみしか免除されません。

それを逆手に取ると、基礎的知識の記憶が少し薄れてきた頃に再度、消防設備士4類の勉強をすることにより、自動的に基礎的知識の復習を行う事になります。

基礎的知識は高校生で勉強する程度の知識ですが、それでも知識として薄れるのは勿体ないものです。

まとめ

それでは消防設備士の受験するオススメの順番についてまとめていきます。

消防設備士は甲種を受験する方が良い。
 甲乙で難易度が特段変わるわけではなく、知識の定着の観点や免除科目の恩恵の大きさから
 では、甲種がオススメが前提

・電気設備関連の方の順番
 4類取得→(7類)→1~3類の順番がオススメ

・機械設備関連の方の順番
 1類取得→2、3類→4類や7類取得の順番がオススメ

・電気設備、機械設備両方を扱う方向けの順番
 1類取得→2もしくは3類→4類→2もしくは3類取得の順番がオススメ

以上、消防設備士を受験、勉強する順番のオススメ解説でした。
沢山消防設備士の資格を取得し、ご自身の価値を上げましょう。

pinky

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