排水設備工事責任技術者を取得しよう

設備資格について

資格の価値というのは
取得する為の難易度に比例して資格の価値が高い傾向にあります。

ですが稀に難易度は比較的優しいにも関わらず、その資格自体の価値が非常に高いと考えられるケースがあります。

今回解説する資格は後者に当たります。

排水設備工事責任技術者という資格は非常に有益な資格です。

こんな偉そうな私は何者かと言いますと
かつては設備の施工者でありましたが転職し、今は機械設備、電気設備の両方を扱う設備設計の仕事をしています。

実は現在の設備設計職でも非常に活躍していますし、たまにテキストを見返すことだってあります。

そんな魅力ある排水設備工事責任技術者のブログとして、有益だと言える理由、取得の為の勉強方法や取得するメリットをわかりやすく解説します。

この記事を読むと〇〇できます。

・排水設備工事責任技術者という資格取得のメリットが明確になる。
・効率の良い勉強法や勉強期間が分かる。
・合格した体験談を読める。
・ステップアップや転職を視野に入れて働くことができる。

それでは排水設備工事責任技術者の解説に入っていきます。

また、市町村によっては「下水道排水設備工事責任技術者」などという名称でもありますが基本的には下水道排水設備責任技術者も排水設備責任技術者も同様の資格であると考えて下さい。

初めに断っておきますが、勉強方法などについてのみ記事を読みたいと思った方は、目次の勉強方法の箇所をクリックしてください。

記事内のその項目に飛ぶことができます。

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資格取得のメリット

冒頭でも書きましたが、排水設備工事責任技術者という資格の取得にはメリットがあります。

講習会で入手したテキストは、取得してから10年以上経った今でもテキストを読み返すほど大事にしています。

それでは、資格取得のメリットを一つずつ解説していきましょう。

排水設備の工事ができる

排水設備責任技術者を取得すると排水設備の工事ができるようになります。

というのも、排水設備の工事をするにも、各市町村の下水道局などの下水道担当部署へ申請業務を行い、承認を得て工事を行う必要があります。

その排水設備の申請を行う業務というのが、排水設備責任技術者でないと申請できないのです。

厳密には排水設備の工事を行う会社は、各市町村の排水設備工事を行う指定工事店の登録を行う必要がありますが、その指定工事店に登録するのも先ずは排水設備工事責任技術者がいないと登録できないのです。

そもそも排水設備工事責任技術者は、各都道府県の各市町村で実施されます。

その理由は、各市町村によって下水道条例も違えば指導内容も違います。
ですので各市町村の特色を交えて勉強し、排水設備の知識を備えた人にしか取得できない資格なのです。

テキストが非常に分かりやすい

排水設備工事責任技術者の試験の前には、市町村または都道府県が実施する講習に必ず参加する必要があります。

そのテキストは各都道府県の下水道協会が作成しています。

そして他の都道府県とは一部異なる内容ではあるものの、下水道協会は各地にありますから、ほとんどが共通内容ではないかと推測できます。

私が実際に受けた講習会のテキストは非常に分かりやすかったです。

下水本管への接続管詳細や桝の種類や建物内の排水設備について絵や図解で丁寧に解説されています。

部下に仕事を教える時もよく使うのですが、やはり排水設備専門の資格の為のテキストというだけあって、非常に分かりやすいです。

下水道法を勉強できる

正直な話、下水道法を学べるということは

排水設備工事責任技術者を取得する最大のメリットだと考えています。

その理由を詳しく解説していきます。

下水道法はこの資格でしか勉強しない

確かに下水道法に触れる資格としては、管工事施工管理技士や設備士、建築設備士などがあります。

ですがそれらの資格取得の為には排水設備についての最低限の知識しか必要でなく、下水道法に触れることはほとんどありません。

その他、下水道管轄の行政や下水道本管を取り扱う工事会社の方は下水道技術検定などの資格もありますが、建物の排水についてはやはり排水設備工事責任技術者の方がより専門的で、技術的です。

排水設備のトラブル解決に強い

排水設備についてトラブルは非常に多く、また汚水などの下水が溢れるなどの不具合は、人々の健康や建物にとって大変不健康です。

例えばこんなトラブルの何が問題かお分かりでしょうか?

住宅購入者
住宅購入者

今の自宅の建て替えをお願いしたいのですが、自宅の排水をお隣の敷地管に合流させてお隣から下水本管に接続しているようです。
そのままでもいいのでしょうか?

設計者or<br>工務店
設計者or
工務店

それはまずいですね。
常識的に考えて、その建物の排水はその敷地単独で下水本管へ接続させますので
建て替える時にお隣さんに話して、こちらの排水は単独で下水本管へ接続させる工事をしましょう。
別途工事費用がかかりますが仕方ありません。

何かが間違えているのです。
排水設備工事責任技術者を取得した方は疑問を感じませんか?

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・

答えです!

排水設備工事責任技術者
排水設備工事責任技術者

下水道法第11条の排水に関する受忍義務としてお隣と契約などを交わしていませんか?

契約内容と排水設備の現状を確認して必要に応じて、お隣さんにはお伝えする必要はありますね。
同行しますので、一緒にお隣さんへお話しに行きましょう。

そうなのです、この例での先に回答した設計者は下水道法でなくあろうことにも常識的などと言う曖昧な技術者らしからぬ見解でお客さんに説明しているのです。

対照的に排水設備工事責任技術者を取得していると、そういうケースがあることも理解しているので、下水道法に順守した説明ができるのです。

下水道法を理解していなければお客さんや関係者に対しても間違えた情報を与えて、工事をしてしまうことも少なくありません。

場合によっては詐欺罪に問われますので、きちんと下水道法を理解した内容を関係者にお伝えすると共に、工事を行う必要があります。

下水道局などの下水管轄の行政協議が上手くなる

先頭の項目で排水設備の工事を行うには、下水道の管轄の下水道局や上下水道局などの行政に申請が必要と解説しましたが、その他にも行政協議を行う場合があります。

建物設計において、排水設備の設計を行う場合や、改修計画の際に工事内容についての事前に打ち合わせなどがあります。

そういった場合でも、排水設備工事責任技術者の資格を勉強して、下水道法を理解しておけば下水道の管轄行政との協議が非常にスムーズですし、間違えた相談による回答により建物設計や工事の悪影響になることを防ぐことができます。

私の経験

排水設備を自身の勉強だけで身につけた知識で協議を行った場合と、排水設備工事責任技術者になるために下水道法や法令について勉強した後では明らかに後者の方が行政協議もスムースでしたし、的確な協議ができたと実感しています。

ですので、排水設備工事責任技術者を取得するということは、単に排水設備についての工事が行えるのが目的ではなく

「下水道法を理解すること」これが排水設備工事責任技術者を取得する最大のメリットなのです。

それでは次の項目より、勉強方法や勉強期間について解説していきます。

勉強方法について

排水設備工事責任技術者は、ネットで調べてもどのサイトやブログでも比較的易しいと書かれていると思います。

比較的易しいと言われているのは、2つの要因があります。

・単純に試験問題が比較的易しい

・受験者に案内される講習会テキストを熟読すれば受かる

単純に試験が比較的易しいのは事実です。

経緯は分かりませんし、私個人はもっと試験問題を難しくすべきで、最低でも難易度は消防設備士程度にすべきと考えていますが、考えられるとすると

難易度を上げてしまうと工事や設計、管理の技術者の不足が懸念されるからだと推測しています。

講習会テキスト自体もかなりページ数が少なく、下水道法の重要な所と建物内外の排水設備についての解説を絵や図を使って解説していますので、理解するのにそう時間はかからないです。

また、排水設備工事責任技術者の試験においては過去問というのは公開されていませんので、講習会で配布されるそのテキストが勉強する材料となります。

勉強方法としては以下の方法をオススメします。

・講習会で配布されるテキストを3回以上繰り返す

・勾配などの計算問題は4回程度繰り返す

・計算式の公式などは持ち歩けるメモに記入して暗記する


排水設備の計画において排水管の勾配についての計算などがありますが、かなり易しい問題ですので3回も繰り返せば何とかなります。

その他は市販の給排水衛生設備についての本を購入した方がいいですが、なるべく下水道法に触れている方が望ましいです。

勉強期間について

排水設備工事責任技術者の勉強方法は、講習会で配布されるテキストが主流となると解説しましたが、市販の参考書であってもそこまでのボリュームはありません。

大体は1ヶ月もあれば毎日1時間ずつテキストを読み進めて3周くらい読み進めれば合格できると思います。

私の経験

ちなみに私は設備施工者3年生でしたが、1週間も勉強すれば余裕で受かりました。
受験した際は、1時間もかからないうちに全て解き終わり、見直しもきちんとできました。

合格基準について

以下のサイトで合格基準が公開されていまして、合格基準としては以下のとおりです。

総得点70点以上でかつ法令、技術の各区分の得点率が50%以上

法令が特にですが、講習会テキストや下水道法に関する市販の参考書を購入しないと難しいと思います。

公益社団法人 日本下水道協会 | 下水道の役割や効果その仕組をはじめ、下水道事業が円滑に執行されるよう、情報提供に努める公益社団法人日本下水道協会です。
下水道の役割や効果その仕組をはじめ、下水道事業が円滑に執行されるよう、情報提供に努める公益社団法人日本下水道協会です。

まとめ

それではまとめに入ります。

排水設備工事責任技術者の取得のメリット

・排水設備の申請業務及び工事を行うことができる。
・講習会で入手できるテキストが分かりやすく、長年使用できる。
・下水道法が身につく(←最大のメリット)

排水設備工事責任技術者の勉強方法、期間等
・大事な事は、講習会に参加してテキストを入手すること
・1カ月、1週間程度テキストや参考書を3周勉強
・合格基準は70点以上かつ、法令と技術は50%以上の得点率

以上です。
比較的易しいと言われがちな排水設備責任技術者ですが、私はこの資格も一つで、色々な資格を足掛かりに色々な仕事ができましたし、自分の成長と共に

設備施工者から設備設計者という職業に転職しました。
資格を入手することで知識と共に年収も順当に上がっていきましたので、資格勉強は基本的にメリットしかありません。

排水設備工事責任技術者を取得して、下水道法を身につけて良い技術者になりましょう。

pinky

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