配管技能士についての勉強方法や実技練習方法、メリットを解説しているブログです。
1級、2級、3級配管技能士についてそれぞれ分けて解説します。
また、1級配管技能士、2級配管技能士から受験する方にも参考になるように実技試験の写真や図面の拾い出し手順なども解説しますので
配管工の全くの初心者から、はたまた数年間の実務経験のある方まで配管工の幅広い方対象の配管技能士ブログです。
・配管技能士の独学の勉強方法、実技練習方法が分かる。
・配管技能士の勉強するオススメ参考書、問題集が分かる。
・配管工初心者から配管技能士の取得する順番が分かる。
・配管技能士を取得するメリット、必要性が分かる。
それでは解説に入っていきます。
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配管技能士の勉強の為のオススメ参考書、問題集は「配管技能士の勉強方法」の学科、実技それぞれの項目で紹介しています。
配管技能士とは

配管工において必須資格とも言える配管技能士は、合格すると「技能士」として名乗る事ができる厚生労働大臣認定の国家資格です。
一言で言いますと、立派な唯一無二の国家資格という事です!
技能士は1級、2級、3級それぞれに技能士の力量を証明する資格として分かれています。
・1級・・・上級技能者が通常有すべき技能の程度
・2級・・・中級技能者が通常有すべき技能の程度
・3級・・・初級技能者が通常有すべき技能の程度
最終的には1級を目指す事になりますが、配管工としての仕事をきちんとこなし、少し勉強するだけで取得は可能ですので、是非チャレンジしていきましょう。
配管技能士の受験資格
配管技能士を受験する為には、1級、2級、3級それぞれに受験資格があります。
技能検定を取りまとめている協会から抜粋した資料が下記になります。

https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/pdf/R04_ginoukentei.pdf
この表によると、以下のようなことが分かります。
配管技能士3級
実務経験なしの状態で受験が可能
配管技能士2級
実務経験2年必要※3級合格後は実務経験なしで受験可能
配管技能士1級
実務経験のみで7年、2級合格後で2年、3級合格後で4年
全くの初心者の方は3級から受験する事になります。
配管工として1人前になる為には
続けて2級、1級と受験することになりますが、配管技能士としての知識と力量が何度も試される為、ご自身の配管工としての価値が勝手に身についていきます。
配管技能士の合格率
配管技能士の合格率は、参考書などに記載されていますが、大体は下記の通りです。
配管技能士3級の合格率:60~70%程度
配管技能士2級の合格率:50%前後
配管技能士1級の合格率:45~50%程度
3級に関しては、10人のうち6、7人が合格するので、非常に易しい試験と言えます。
ただし、1級については毎年2000人前後が受験し、1000人以下しか受かっていませんので、決して易しい試験ではありません。
かと言って、1級配管技能士の難易度は非常に高い…というわけではなく
配管技能士1級、2級に合格する為にはきちんとした勉強計画と実技練習をすることが非常に重要です。
配管技能士の試験内容
1級、2級、3級により試験内容も少し異なります。
配管技能士3級
学科・・・〇×問題の簡単な試験(全30問)
実技・・・塩ビパイプと鉄管の簡単な配管組み立て作業
配管技能士2級
学科・・・〇×問題+少しの選択問題(全50問)
実技①・・・配管材料の拾い出しのペーパーテスト
実技②・・・溶接を含む配管組み立て作業
配管技能士1級
学科・・・〇×問題+少しの選択問題(全50問)
実技①・・・配管材料の拾い出しのペーパーテスト
実技②・・・溶接を含む配管組み立て作業
ここで注意したいのは、配管技能士の2級と1級の違いです。
問題数や出題科目は同じですが、1級の方が難易度の高い学科試験であり、実技試験もより高度な作業を求められます。
いずれにしてもきちんとした勉強方法と実技練習を行う事で、取得するにはそう難しくありません。
ですが普段は中々勉強する機会も少ないと思います。
そんな方向け、また、勉強嫌いな方にもやる気が出るように、次の項目から配管技能士を取得するメリットを紹介していきます。
配管技能士を取得するメリット、必要性
配管技能士を取得すると様々なメリットがあります。
こちらの項目は勉強する為のモチベーション維持として読まれると良いと思います。
配管工としての技術向上
配管技能士の試験目的は、配管工としての技術向上です。
ですが実技試験である配管の組み立て作業は特に、手作業による鉄管のねじ切りなどが必要で、近年の実際の現場では機械によるねじ切りが主流の為、あまり力量には直結しないのが現実です。
ですが、学科試験の為の勉強は配管工事において非常に重要な知識を身に付ける事ができるので、勉強しておいて損はありません。
また、2級から筆記試験に含まれる図面から配管材料の拾い出し作業についても、拾い出し作業の早さと正確さが求められますので、身に付ける事で仕事も確実に要領良くなります。
工事の専任の主任技術者になれる

配管技能士を取得すると、配管工事の専任の主任技術者になることができます。
主任技術者になるには、資格がない場合10年以上の実務経験者でなければならない為、配管技能士を取得する方が手っ取り早いです。
主任技術者の項目に堂々と自分の名前を書けるということは仕事に対するモチベーションも上がりますし、何より少し誇らしく感じますよ。
独立、転職が可能

専任の主任技術者になれるという事もありますが
配管技能士を取得すると建設業許可も取得可能ですので配管工として独立が可能です。
また、今の会社の働き方、人間関係、給料などに不満を感じた場合でも配管技能士を取得していれば、大手の設備会社に転職も可能です。
転職する際に、面接してくれる会社はあなたの配管工としての力量は、履歴書だけでは分かるはずもありません。
ですが、配管技能士を取得していれば
「あ、この人は配管工としての一定のレベルの力量があるのだな・・」
そう解釈してくれます。
今の勤めている会社が10年後にはどうなっているか分かりません。
配管工としての仕事を続ける為にも、配管技能士を取得する必要性は大いにありますよね。
他の資格の受験可能になる
配管技能士を取得すると、その他の配管工に関連する資格に挑戦することができます。
消防設備士、給水装置工事主任技術者、管工事施工管理技士、空気調和衛生工学会の設備士など
これらの資格試験に対して1級配管技能士を取得していれば、受験資格として使えることも可能となります。
ここで一つ豆知識
配管技能士と管工事施工管理技士の違いとして
管工事施工管理技士は、配管技能士で出題される問題よりも配管工としてより高度な知識が求められます。
加えて、施工管理技士は文字通り工事を管理する立場=言わば配管工の現場監督的立ち位置ですので、工事管理についての問題も数多く出題されます。
ですが、元を辿れば配管工としての知識は同じなので、きちんと勉強していけば、配管技能士に合格して、管工事施工管理技士に受かる可能性は大いにあります。
むしろ、何も勉強せずに管工事施工管理技士を受験するより、配管技能士で配管工としての知識を蓄えてから、管工事施工管理技士を受験する方が遥かに難易度は下がります。
元々は配管工でしたが、今は現役の設備設計者です。
配管技能士に合格後、消防設備士や管工事施工管理技士を取得し、そして設備設計にも有効とされている難関資格の建築設備士などを取得、1級建築士まで取得することができました。
私も皆さんと同じ所からスタートしていますので、一つの参考例としてこんな人間もいるのだと考えて頂けると幸いです。
管工事施工管理技士について、記事を書きましたので、是非そちらもチェックしてみてください↓↓
こちらは2級管工事施工管理技士から受験する方向けに応援記事を書いています↓
給水装置工事主任技術者の勉強方法については1ヶ月で合格する方法として以下で解説しています↓↓
年収、給料などの金銭面がUP

メリットにも書いていますが、配管技能士を取得すると配管工事の専任の主任技術者、現場監督者にもなれるので、独立も可能ですし、転職も可能です。
そういった人材の給料は会社としても、非常に大事にされるので、当然給料面の金銭的UPが期待できます。
日当で計算されている方は、2000円UPするだけでも月の給料で5~6万円UPし、年収で計算すると60~70万程UPすることになります。
配管技能士を取得したのに、今の会社が給料を上げてくれない場合は、給料を上げて欲しいと交渉すべきです。
配管技能士を取得したあなたは、他の配管工より優れていると国が認めているのですから。
配管技能士の勉強方法
それでは配管技能士の勉強方法について、解説していきます。
試験内容などで説明しましたが、配管技能士は学科試験と実技試験がありますので、それぞれの勉強方法、実技練習方法を分けて解説していきます。
学科試験
学科試験の勉強方法は非常にシンプルです。それは
参考書や問題集を3~4回繰り返すことです!
非常に簡単に聞こえますが、裏もなく、非常に簡単です。
ですがこれだけ注意しましょう。
解く問題に対して〇△×をつけましょう。
〇・・・理解ができて、問題も正解
△・・・大体理解していて、問題は正解
×・・・全く理解もできていなくて、問題も不正解
それを3~4回繰り返すだけです。
しかも、1日少しづつこなせればOKです。
この〇△×が非常に重要でして、1回目2回目で△×だらけだったのですが
3回目、4回目になるとほとんどが〇か△になっているはずです。
その状態になると、ほぼ受かります!!
簡単なので是非やってみてください。
そして配管技能士の勉強にオススメの参考書ですが、
配管技能士3級受験の方は「技能検定 わかりやすい解説つき 技能検定問題と演習」が良いです。
解説が非常に丁寧で、初心者でも理解しやすいように作られています。
配管技能士1級、2級を受験する方は過去問をひたすら解くようにしましょう!
過去問に特化して繰り返し問題を解くのに最適です。
実技試験
配管技能士の1級、2級は図面の拾い出し作業があります。
3級受験の方は、配管組み立て作業のみ読むようにしてください。
実技試験の練習、勉強の為「実技のポイント」などが良いです。
図面の拾い出し作業、配管組み立て作業の両方を絵や写真を載せながら解説してくれています。
図面の拾い出し作業
出題される図面は様々ですが、注意したい点をまとめました。
・配管材料がかなり多いので、間違えないように区別する
・配管の長さは、継手を含むのか含まないのか自分でルールを決める
・問題集で時間を計って練習しておくこと
上記で紹介したオススメの本には拾い出し練習用として、図面の添付してくれているので、それで練習しておく方が良いです。
配管材料が多いので初めは配管材料によって色分けしてみると分かりやすいです。
また、拾い出し作業については継手の個数、配管の長さも両方記入する必要がある為、予め配管の長さはどこまでとするか?それを決めておく方が良いです。
配管継手を含む長さを配管の長さとして回答しても良いですが、予め自分のルールとして決めておかないと試験中にごっちゃになってしまいます。
以上の事を意識しながら時間を計って練習するようにしましょう。
配管組み立て作業
こちらが私の実際に1級配管技能士を受験する前に練習で行った配管組み立ての写真です。

あまり綺麗とは言えなく、最初はこの写真のような酷い出来上がりでした。
ですが何度も練習するうちにコツを掴めてきました。
こんな自分でも出来るのだから、きちんと練習すれば誰でも出来る様になります。
配管組み立て作業で重要なことをまとめておきました。
・試験は減点方式
・水圧試験による漏れが確認された場合、1発で失格
・見栄えも重要な採点項目なので綺麗に組み立てる事に注意
試験での採点は、組み立てられた配管に対しての減点方式です。
先ずは水圧試験を行い、漏れがないかの確認をされます。
そこで漏れが確認されてしまうと一発で失格となりますので、非常に注意が必要です。


また、見栄えも重要な採点項目になりますので、ねじ切りの後や溶接跡が汚い作品も減点対象になります。
配管組み立て作業は、初心者には難しく感じますが、実際に配管工としての仕事をこなしていればそう難しくありません。
いつも仕事でしている作業を、試験でしっかりと丁寧にこなすだけです。
どうしても手順を確認したい場合は、YouTubeで投稿されている配管技能士の動画を確認してみましょう。
「配管技能士 実技」で調べると沢山の方が実演していらっしゃるので、参考になるかと思います。
以上となります。
配管技能士を取得するということは、配管工であるあなたを技術的にも人間的にも将来的にも一つ上の段階に進めてくれます。
非常に価値ある資格ですので、是非ともチャレンジしましょう。
pinky
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