【独学3か月】建築設備士一次試験勉強方法

設備資格について

建築設備士の一次試験は、効率良く勉強すれば独学でも3ヶ月以内で合格できます。

実際、私は2ヶ月半勉強して受かることができました。

今回は3ヶ月と限定して、建築設備士の一次試験の勉強方法とおすすめ参考書、過去問などの書籍を紹介していきます。

建築設備、設備設計は常に忙しい業界です。
忙しい毎日の中、資格勉強の時間を捻出するのに苦労しますが、一助になれば幸いです。

自己紹介をしておきます。
現役で設備設計のお仕事をしているpinkyと申します。
保有資格は、設備設計1級建築士、建築設備士、電験3種、1級管・電気セコカン、エネ管、消防設備士1〜4類等です。

その中でも建築設備士は特に好きな資格ですので、建築設備士を取得するメリットの他に、一次試験と二次試験に分けて勉強方法も解説した記事を書いています。

それでは早速本題に入っていきます。

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建築設備士一次試験を理解しよう

建築設備士一次試験を合格する為には、先ずは試験がどのようなものかを理解しましょう。

建築設備士一次試験は1ヶ月の勉強で受かる方もいらっしゃるようですが、平均的に2ヶ月、3ヶ月の勉強期間は必要だと考える方が安全です。

2ヶ月、3ヶ月の勉強時間が必要な資格勉強って、少し腰を据えて勉強するイメージですよね。
受かる受からないを判断するのではなく、先ずはどのような試験かを理解することが大事だと私は思います。

1次試験の試験内容の特徴

建築設備設備士の一次試験で抑えておくべきポイントは以下になります。

・4択の正誤問題が基本であること(※平成までは5択の正誤問題でした)

・建築一般及び法規、建築設備分野が出題されること

以下より詳しく解説します。

4択の正誤問題が基本であること

平成までは5択の正誤問題でしたが、令和になってからは4択ですので、難易度が少し易しくやなったことは間違いありません。

私の体験

5択正誤問題の時に建築設備士を受験及び取得しましたので、かなり苦戦した記憶があります。
4択と5択の正誤問題では、求められる理解力の精度に差がありました。

建築一般及び法規、建築設備分野が出題されること

1次試験の出題分野としては以下のようになります。

1次試験の出題範囲

建築一般で 27問
法規で 18問
建築設備で 60問
合計105問

建築一般知識
2級建築士程度ではありますが、数問は1級建築士で出題される問題も散見されますので、建築一般の難易度としては1級建築士と2級建築士の間くらいに位置付けられます。

建築法規
法令集が持ち込み可能であることは当然ですが、建築設備に関わる法規問題が出題されます。
きちんと勉強しておけばある程度の点数は取れますが、 私が受験した際に引っかけのような嫌らしい問題が数問出題されましたので、法令集があるからといって手抜きの勉強はオススメできません。

建築設備
機械設備分野としては、給排水衛生設備、消防設備、ガス設備、空調・換気設備(排煙設備含む)
電気設備分野としては、受変電設備、電灯動力設備、弱電設備などが出題範囲となります。

各分野ごと、かつ総得点に足切り、合格基準点がある

建築設備士1次試験では、各分野ごとにいわゆる足切りがあります。
各分野ごとに合格最低基準点があるという事です。
以下に各分野毎にまとめました。

建築一般知識で 27問中13問(約48%)

建築法規で 18問中9問(50%)

建築設備で 60問中30問(50%)

合計の総得点で 105問中67~72問(約64~69%)
※総得点は毎年変動することがあります。

まとめると

各分野で5割の正解率で、かつ全体の70%程度正解であれば合格という事です。

令和2年より試験内容が大幅に変更されましたが、理由としては昨今の省エネや脱炭素の観点より建築設備士の社会的役割が非常に重要かつ需要が高まってきたことが起因しています。

このように各分野の難易度としては、前項目で解説しましたようにそれぞれ生易しい試験ではない上に、足切り及び合格最低基準が設けられている為、難易度が高くなっています。

建築設備士一次試験の合格率

続いて、建築設備士一次試験の合格率を理解しましょう。

合格率は短時間の試験勉強で済む資格に対しては、合格率の数値を意識しなくて良いというのが自論ですが、建築設備士のように少し時間をかけて試験勉強を行う資格については、合格率の数値は意識した方が良いと考えています。

建築設備士一次試験の合格率を見てみましょう。

年度一次試験合格率
平成30年31.2%
令和元年26.8%
令和2年25.7%
令和3年32.8%
令和4年31.4%
公益財団法人 建築技術教育普及センターHPより引用

平均すると約30%前後になることが分かります。

この時点で1次試験の合格率が40%前後である1級管工事施工管理技士または1級電気工事施工管理技士よりも難易度が高いことが分かります。

そして、特に注視すべきが以下になります。

  • 指定学科の大卒でかつ、実務経験2年以上の受験資格者でもこの合格率であること
  • 分母の数が世間一般的に圧倒的に少ないこと

建築設備士の受験資格となる実務経験の最短年数の条件は、指定学科の大学を卒業していることになるのですが、指定学科ということは少なくとも建築設備についてある程度は勉強してきた方々になりますよね。

指定学科の大学でしっかり勉強して、2年間の実務を経験していれば、一次試験である学科試験だけでも受かりたい所ですが、それでも合格率は30%程度。

難関資格であることは間違いありませんよね。

断っておきますが、私は単に「建築設備士一次試験が難しいのですよ!!」と言いたいわけではなく、「勝つ為には先ずは敵を知れ」というやつで、試験内容と難易度をきちんと理解して受け入れることが重要だとお伝えしたいのです。

モチベーション維持の為に

建築設備士の一次試験の試験内容、合格率を理解した所で、今度は試験のモチベーション維持について考えてみましょう。

自分の立ち位置を理解して、やることを明確にする

建築設備士の試験内容、合格率を理解した上で、過去問を確認してみましょう。
どの程度解けそうでしょうか?
・・
・・・・
・・・・・・
私の経験談ですが、建築一般知識と建築法令はそこまで解けなくて良いですが、建築設備分野で解けない問題が多い方は、3ヶ月として勉強計画を立てることをおすすめします。

というのも、建築一般や法令問題は丸暗記すれば解けますが、建築設備分野は非常に幅広く難易度も高い問題が多いです。

立ち位置を間違えると勉強の計画が成り立たなくなります。
結果、試験に落ちてしまうことになりますので、今のご自分の立ち位置をしっかり見極めることが重要です。

自分に素直になりましょう。
ご自分の今の立ち位置は、あなた以外の誰も知る由もありません。

安心して、自分と向き合い「建築設備士に落ちてしまう」最悪の未来を想定してご自分の立ち位置を見極めましょう。

先ずは1次試験のことだけを考える

これをお読みになっている方で、建築設備士二次試験の過去問を見たことがありますか?
建築技術教育普及センターのHPに過去問が掲載されていますが、一度は見られても良いかもしれません。

断っておきますが、二次試験の過去問は「見るだけ」にしておいてください。

こんな問題どうやって解けばいいのだろうか・・・

一次試験の勉強の合間に二次試験の勉強もスタートさせた方が良いのかな?・・・

そんな事を考えてしまうかもしれません。

ですが、一次試験前は一次試験だけに専念することをおすすめします。

確かに二次試験の勉強も一次試験の受験前にも勉強しておけば、かなり安心できるのかもしれません。
ですが、二次試験はあくまで一次試験の応用も兼ねている為、一次試験の知識をしっかり身につけないと二次試験は合格できません。

また、二次試験は非常に特殊な試験ですので、1日限りの講習会や資格取得支援学校の講義を受講するなどが対策として考えられますが、いずれも一次試験が終了してからスタートとなります。

一次試験と二次試験の間の期間は、2ヶ月半程と少し心苦しい期間ではありますが、きちんと手順を踏んで効率良く勉強すれば合格することは十分可能です。

ですので、安心して建築設備士一次試験前は一次試験の事だけを考えるようにしましょう。

私の体験

一次試験勉強期間ではあるものの、本当に二次試験の勉強をしなくて良いのか分からず、過去問を見たり、ネットで調べたりしましたが不安のみ残る一方で、勉強のモチベーションが下がってしまったことがあります。

1次試験を丁寧に勉強すれば2次試験が楽

前述しましたが、2次試験は1次試験の応用問題が多いです。
記述問題に関しては、問題によっては1次試験の問題内容からヒントを得ることもあります。

また、作図試験についても1次試験でしっかりと基礎知識を身につけておかないと作図することは出来ません。

設備設計、設備施工管理のお仕事でも設計図や施工図を作成する際、基礎知識がない人が描く図面はただの配管配線の絵です。
知識が無ければ、設備の図面など描けるわけがありませんから当然の話ですよね。

ということで、建築設備士を取得する為には、1次試験の期間はとにかく1次試験の勉強に集中して、しっかり基礎知識を身につけることを念頭におきましょう。

それが2次試験を突破する為だとも考えて勉強しましょう。

おすすめ参考書

建築設備士の試験内容、合格率、そしてモチベーション維持の方法を理解頂いた所で、建築設備士の参考書、過去問、そして勉強方法について理解しましょう。

先ずはおすすめの参考書を紹介します。
建築設備士の勉強方法は基本は過去問をこなすことが重要ですが、参考書は過去問では身に付かなかった知識を覚える為のカバーする位置付けです。

そういった理由から以下の本が非常におすすめです。
過去問に出題されにくい知識を簡潔に解説してくれています。

おすすめ過去問

それでは建築設備士のおすすめ過去問を解説します。

私は、日建学院が出版している過去問を推奨しています。

日建学院の過去問は解説が非常に分かりやすく、基本的に見開きで問題と回答解説ページの構成なので読みやすいです。
私は日建学院の過去問で合格したようなものですので、日建学院の過去問には非常に感謝しています。

法令集は必ず準備しよう

建築法規の試験は建築一般知識と合わせて2時間半程度ですが、試験中に法令集の持ち込みが可能です。

試験時間は、建築一般知識、建築法規合わせて2時間半ほどありますので、法令集を引いて調べる時間は十分にありますので、必ず持ち込むようにしましょう。

卓上計算機(電卓)の持ち込みも可能

令和2年以降、卓上計算機いわゆる電卓の持ち込みが可能となりました。
それ以前は、二次試験のみ電卓持ち込み可能でしたが一次試験も電卓の持ち込みが可能となったようです。

電卓の条件としては、建築設備士試験受験総合案内書では以下のように記載されています。

携帯できるもの
電卓(加減乗除、ルート、メモリー、%機能、関数機能を限度とし、プログラム機能を有せず、小型で音のしないもの)

引用元:建築技術教育普及センター 建築設備士試験受験総合案内書
建築設備士試験 建築技術教育普及センターホームページ (jaeic.or.jp)

建築設備分野では熱負荷、水理計算、換気、受変電、雨水排水等の計算が出題されますので、電卓を持ち込まれる事は時短になりますので、必須持ち込みアイテムですね。

建築設備士一次試験の勉強方法

それではいよいよ一次試験の勉強方法について解説します。
私がオススメする勉強方法の基本方針を分かりやすく以下にまとめました。

・参考書と過去問両方を用意し、過去問→参考書の順番で行う
・復習するタイミングは自分なりのエビングハウスの忘却曲線を利用する
・勉強しない日を1日は設ける。※その日を総復習の日としても可
・参考書と過去問のページ数を試験日までの日数で割る
・毎日勉強するページ数を理解して、予定を立てる
・過去問は最低でも5年分を3回以上は繰り返す
・3回繰り返しても間違える箇所を一つのノートにまとめる
・移動時間などのスキ間時間は最大限に利用して勉強する

勉強計画の立て方

上記基本方針はどの資格勉強に関しても共通して使える勉強方法です。
資格取得の勉強方法の基本は反復です。

大抵の人がお仕事をしながらの受験になる為、どうしても効率良く勉強する必要があります。
理由としては、以下のことが考えらえます。

・1日で勉強できる時間は限られていること
・その他にも取得するべき資格が沢山ある為、一つの資格に時間をかけすぎるのは人生の無駄であること
・資格勉強しても大抵は取得後に忘れてしまう為、反復も含めて資格取得の為の勉強はさっさと終わらせる方が良い

そういった事が念頭にある為、私は資格勉強は基本的に効率重視で勉強計画を立てるべきだと考えています。

勉強計画①:過去問と参考書のページ数を勉強期間で割る

勉強計画の立てる際の前提は、なるべくどうしても勉強できない時間や日にちを配慮しながら、それ以外の日数で過去問と参考書のページ数を日数で割ることです。

そうすると毎日にこなすべきページ数が割り出すことができます。

参考例

例を出してみましょう。
750ページ(過去問5年分) ÷ 75日(2ヶ月半) = 10ページ/毎日
ということで、毎日10ページは頑張って進めないといけないことが分かります。

勉強計画②:勉強計画に復習するタイミングを考慮する

次に、復習するタイミングを考えます。
過去問や参考書を解きっぱなしで復習しなければ意味がありません。
復習するタイミングは3日もしくは1週間後がオススメです。

これは脳科学のエビングハウスの忘却曲線に精通している根拠で、人が記憶を維持できる期間を曲線にて表しているものです。
詳しくは以下をご覧ください。

【脳トレコラム】第7回 エビングハウスの忘却曲線とは – 新日本速読研究会

それで、何を申し上げたいかと言いますと、
復習するタイミングの3日、1週間後の日は毎日こなすページ数分+復習するページ分をこなす必要があるということです。

それを念頭に勉強計画を立てるようにしましょう。
これを出来る人と出来ない人では、建築設備士一次試験での合否が分かれると言っても過言ではないと私は考えています。

それ程重要な作業ですので、ご注意ください。

過去問は○△×の3段階で分ける

建築設備士一次試験の基本は過去問を3回以上こなすことが重要です。

建築設備、設備設計の一定の知識が備わっている方では、過去問を3〜4回繰り返すだけで一次試験に合格する方もいらっしゃるくらいですので、基本は過去問をこなすことが重要です。

過去問をこなす際の注意点として、問題を解く際に○△×で分けることをおすすめします。

・すぐに分かる問題は○
・少し悩んで解けるレベルは△
・全く解けない、分かりそうではあるが間違えた問題は×

このように問題を分けることにより、次に問題を解く際に自分が解けたのか、解けていなかったのかが分かりやすく、過去問を繰り返す際に非常に効率が良くなります。
解ける問題を解くことに時間をかけていては効率が悪いですよね。

通勤時間が長い人はiPadがおすすめ

資格勉強中は移動中の時間も有効に活用しなければ効率良く勉強しているとは言えません。

普段はネットサーフィンしたり、漫画を読んだり、ゲームをしている方、またはお仕事をされている方もいらっしゃると思いますが、建築設備士の試験中は心を鬼にして「移動時間も無駄にしては落ちてしまう!」それくらい考えて勉強時間に充てるようにしましょう。

移動時間での勉強はiPadなど電子がおすすめです。
特に過去問はページ数が多い為、カバンに入れて移動していては邪魔になりますよね。

それならいっそのこと全て電子で勉強してみよう!
そういう考えも一つかもしれません。

まとめ

それでは建築設備士 3か月以内に合格する一次試験勉強方法のまとめに入ります。

▼建築設備士一次試験内容

・注意すべき点は以下

・4択の正誤問題が基本であること(※平成までは5択の正誤問題でした)

・建築一般及び法規、建築設備分野が出題されるこ

・各分野ごと、かつ総得点に足切り、合格基準点があること

建築一般知識で 27問中13問(約48%)

建築法規で 18問中9問(50%)

建築設備で 60問中30問(50%)

合計の総得点で 105問中67~72問(約64~69%)
※総得点は毎年変動することがあります。

各分野で5割の正解率で、かつ全体の70%程度正解であれば合格という事です。

▼建築設備士一次試験の合格率

年度一次試験合格率
平成30年31.2%
令和元年26.8%
令和2年25.7%
令和3年32.8%
令和4年31.4%
公益財団法人 建築技術教育普及センターHPより引用

平均すると約30%前後になることが分かります。

▼モチベーションを維持する為に、理解して想像しよう

・自分の立ち位置を理解してやることを明確にする
自分に素直になりましょう。
ご自分の今の立ち位置は、あなた以外の誰も知る由もありません。

・1次試験のことだけを考える。
一次試験と二次試験の間の期間は、2ヶ月半程と少し心苦しい期間ではありますが、きちんと手順を踏んで効率良く勉強すれば合格することは十分可能です。

・1次試験を丁寧に勉強すれば2次試験が楽
2次試験は1次試験の応用ですので、1次試験で建築設備に関する知識をきちんと身に付けることが、2次試験合格、すなわち建築設備士を取得できる最短の道であることを理解しましょう。

▼おすすめ参考書、過去問、法令集
こちらは本題の方におすすめの書籍、本のURLを貼り付けておりますので、そちらをご覧ください。

▼建築設備士一次試験の勉強方法

基本方針は以下になります。

・参考書と過去問両方を用意し、過去問→参考書の順番で行う
・復習するタイミングは自分なりのエビングハウスの忘却曲線を利用する
・勉強しない日を1日は設ける。※その日を総復習の日としても可
・参考書と過去問のページ数を試験日までの日数で割る
・毎日勉強するページ数を理解して、予定を立てる
・過去問は最低でも5年分を3回以上は繰り返す
・3回繰り返しても間違える箇所を一つのノートにまとめる
・移動時間などのスキ間時間は最大限に利用して勉強する

以上です。
建築設備士一次試験に合格するだけでも、毎日仕事で忙しい建築設備、設備設計業界においては大変な作業です。

ですが、一次試験を合格すればそんな未来も明るくなります。

何より自信になるので、是非効率良く建築設備士一次試験の合格の為に効率よく勉強しましょう。

それでは、健闘を祈ります。

pinky

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