こんにちは。
現役で設備設計のお仕事をしているpinkyと申します。
設備設計業務に関わる設計内容や、設備設計に関連する資格などを記事にしています。
詳しくはプロフィールを閲覧ください。
設備設計のお仕事の面白さを知って頂く為に、私の実際の仕事の1日を紹介します。
今回は、建築設備の設計監理業務メインの一日にクローズアップします。
ここで申します建築設備とは、機械設備や電気設備などの建物に対しての設備全般の事を指します。
設備設計業界は人手不足と言われています。
私の会社はもちろんですが、知人の会社も慢性的な人手不足に苦労していますので、是非とも今回の記事を参考にして設備設計志望の方が増えてくれることを願います。
・設備設計の設計監理の1日が分かる。
・現場監理で設備設計者が大事にしている事が分かる。
・設備設計の仕事の魅力が分かる。
要所要所で私が豆知識やお仕事内容について詳細をご説明します。
それでは早速本題に入ります。
1. 設備設計の現場監理業務主体の1日
私の実際にあった1日の行動を円グラフにまとめました。
本日は午前中に定例会議に出席し、午後から設計監理の立場としての現場の施工状況の検査を行います。
次の項目より、時間別に設計監理の仕事内容を紹介していきます。
1-1. 9時~10時:雑務
出社してからは雑務作業です。
コーヒーを飲みながらメールチェックと本日の資料の作成をしていきます。
午前中は、私が設備設計として携わった物件が着工し、設計監理の立場として現場の監理まで行っている物件の定例会議が開催されます。
物件用途はオフィスビルです。
私はこのオフィスビルに対して、設計段階は機械設備と電気設備両方の設備設計を行いました。
ビル管法と省エネに配慮した設計で、かつ設計委託を受けた不動産会社からの細かい要望に非常に苦労した物件でしたが、無事着工を迎えて
今は設計監理の立場として工事を監理する立場にあります。
このように設備設計者の働き方は様々ですが、設備設計業務と設計監理の業務を兼務することも少なくありません。
設計監理業務を兼務するメリットとして、実際の納まりや自分の設計した物件が形になっていく工程を見る事が出来るので、非常に楽しくもあります。
この日の定例会議では、建築設備関連の議題としては以下のような内容でした。
・設計以降の設備スペックUPの要望について
・工事費のコスト管理状況
基本設計、実施設計を経て着工した後に、事業者からの要望で、設備のスペック変更要望を受けることも少なくありません。
事務所ビルの電気容量は設計段階でも事業者に確認はしていたのですが、契約される方からの要望として、もう少し電気容量をUPさせたいとの事。
また、現場監理では必須の工事費用のコスト調整として、施工者が作成した設備工事の増減一覧表と内容に目を通します。
おっと、現場に向かう時間になりましたので、電車に飛び乗り現場へ向かいます。
10時~12時:現場定例
現場に到着し、施工者が作成した現場定例用の資料を確認しながらノートパソコンを開き、会議の準備をします。
現場の定例会議や打ち合わせの際、設備の設計監理の立場である私のルーティンは以下のようになります。
・設計図書のデータ(意匠、構造、機械設備、電機設備)全てPDFデータとして持ち歩く
設計図書を紙面で持ち歩くととてつもない荷物になってしまいますので、ノートパソコンに全ての設計図書をデータとして入れ込むようにしています。
・物件ごとのメモをデータにて記録
出来るだけ分かりやすく「誰が、いつ、いつまでに、何が、準備は」という事などを細かくメモしていきます。
・関連資料を開いておく
定例会議の資料を事前にメールで送って頂くことや、主要議題に対しての資料を全てデータ化し、いつでも開けるように持ち歩いています。
設備設計者は、意匠・建築設計や構造設計担当などと違い、複数の物件を掛け持ちすることが多いです。
特に設備設計業務と設備監理業務を兼務している会社は、一人の設備設計者が担当する物件数は非常に多いイメージです。
そうなるとそれぞれの物件の設備設計内容や設計監理として担当している物件の内容を細かく把握するのが非常に難しいです。
物件毎にメモ用、やることリストを作成して自分で管理することが重要です。
10時となり、定例会議が始まりました。
最初に施工者より現場の進捗や工事工程の説明があります。
事業者からの伝達事項が終わり、設計監理の設備範疇の私の発言の順番が回ってきました。
今回の議題である事業者要望に対しての、設備の設計監理者としての見解資料をお配りして、内容の説明を行います。
口下手な私ですが、何度もこういった場面を経験することにより、相手に伝わりやすい説明の仕方が少しは身についてきました。
定例会議の場での発言や内容の説明で大事なことは
相手が欲しい情報を、どのような人でも理解できるように噛み砕いて要点を出来るだけ絞って説明することです。
・結論と原因、要因の説明に緩急をつける。
・説明する内容が、本当に相手の求める答えなのか?
・その答えに対しての先の答えはもっているか?
・答えが数パターンある場合は、それぞれに上記を考える。
以上のことを考えるだけで、相手への説明の仕方が全く違ってきます。
電気容量を上げる事でどういったリスクやコストUP要因になるか?
それに付随して納まりが変わらないかを施工者と事前に打ち合わせをし、その資料の取りまとめを設備設計者の私が監修の元、資料を作成してきました。
今回は電気容量を上げることで、幹線サイズUPによるEPSの納まりが変わること、それに加えて受変電設備の変圧器の容量UPについての資料を提出して説明します。
こういった事業者への提案をきちんと説明できることも設備監理者としても重要な役割でして、
コスト面や維持管理面などあらゆる面から検討し、進めていくこともまた設備設計の現場監理業務の楽しさの一つなのです。
1-3. 午後~:現場の設備検査
午後からは別の工事中の物件の設備の施工状況の検査です。
この日は建築の躯体が完成したので、ホテルの客室の設備の施工状況確認です。
設備の施工管理者がとても優秀な方で、きちんと現場管理されていましたが、一つ重大な施工状況を見つけました。
設計図書はもちろんですが、施工者が作成した施工図に図示されていた配線ルートではなく、打ち込んでいる配線がありました。
構造監理者にも確認すると、聞いた覚えはないとのこと。。。。
事の発端はサブコンと呼ばれる電気設備専門の施工者の職人さんが監督者の指示を待たず、打ち込み配管をしてしまったとの事。
これは見逃すわけにはいかず、構造的に打ち込み箇所が問題ないか至急構造設計者に確認して頂くよう指摘事項を挙げました。
構造設計者に確認するとやはり該当箇所の打ち込みは不可との事。
やり替えて設計図書、施工図通りのルートで配線してもらうことになりました。
このように設備の監理業務は、とても神経の使う仕事です。
配線や配管がどのルートを通っているか、はたまた上記例のように、意匠、構造的な問題も兼ねている為、慎重に現場状況を確認する必要があります。
設備の配管配線、機器などは特に建築物が仕上がってしまうと見えなくなる為、何かあった場合は、建築物を壊さないとやり替えることが不可能な事が多いです。
設備の設計監理者としての立場の目線は非常に重要な役割なので、丁寧な仕事を心掛けましょう。
私が設備設計、設備監理に不慣れな時期に愛用していた本の最新版を下記に貼っておきます。
写真で建築設備の現場確認すべき箇所などを挙げてくれていて、非常に分かりやすく、確認が必要な理由まで丁寧な解説をしているので、設備設計、設備の現場監理のお仕事には非常にオススメの本です。
1-4. 現場から帰社
現場から帰社すると、本日の定例会議の内容、現場検査内容を物件毎に用意していた資料にまとめを書きます。
設備の設計監理である私はこの作業を非常に大事にしております。
冒頭でも書きましたように、設備設計及び設備の設計監理者は、非常に多くの物件を1人で担当することは少なくありません。
自分の記憶だけでは仕事は出来ない事を理解することが重要です。
そして未済事項などがあれば、次回の定例会議の議題として設備施工者、事業者と打合せをするように予定します。
物件毎の自分用のメモ資料を作ることは大変有益です。
時短としてももちろん、仕事の精度を上げる為には設備設計、設備の監理業務を行う方にとっては必須と言えると考えています。
1日を振り返って
本日の業務は午前中から色々な事がありましたが、定時近くで退社する日となりました。
中には工事中の物件の定例会議が6~7時間連続で続く現場もありますのが、定時近くで退社することもあります。
会社によっては、現場から直行しても良いというルールを設けている会社もあるようですので、そこまで激務だという仕事量ではありません。
もちろん、メモの活用や知識を増やすことで効率の良い仕事の仕方を考察することは必要ですが。
特に知識を増やす事は重要ですので、資格勉強などでご自分の実力を身に付けていきましょう。
今回は設備設計の現場監理業務についての解説でしたが、設備設計、設備の設計監理という立ち位置が少しでも面白い、、なんて魅力を感じて頂けると幸いです。
設備設計、設計監理のお仕事に少しでも魅力を感じた方は、是非一緒に設備設計のお仕事をやってみましょう!
pinky
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